「その昔エースが地球に派遣されていた頃、異次元から地球を侵略しに来た『ヤプール』という大悪党がいた。奴らはウルトラ兄弟抹殺の手段としてオレとエース、上の兄さん３人を含めたウルトラ５兄弟をゴルゴダ星という星に誘き寄せ、罠に掛けた。何とかエースだけは逃がす事に成功したが、オレと３人の兄さんは捕らえられ、エースと地球人は手も足も出なくなってしまったんだ･･･」



「よーするにアンタ、以前にも人質にされた経験ありなのか･･･」
「「なっさけねーーーーっっ！！」」
ケムゾウの言葉に続けて、空とピピが容赦の無い貶し文句をジャックに放った。
「うる星！！エースを逃がす為だったんだから仕方無いだろっっ！！」
「兄さん･･･ゴメン･･･」
「･･････とにかく、その手も足も出ない状況の中、当時の防衛組織の最高責任者だったのが高倉という司令官。こいつがまたメチャクチャな奴で、オレ達が捕らえられている事にもお構い無しにゴルゴダ星をミサイルで破壊しようとしたんだ」



「･･･って、ちょっと待ってよ！例えアンタ達が捕らえられていようが降伏なんかしないって強気で意気込むのはともかく、何でわざわざアンタ達が拉致されてる星を破壊せにゃあならんのさ！？」
あまりの事に驚愕しているケムゾウの問いに、ジャックは忌々しげに中空を見つめ、
「ヤプールの本拠地がゴルゴダ星にあるかもしれないというのが建て前のようだが、敵さんがわざわざ自分の拠点をさらけ出すようなマネするもんか･･･」
ジャックの言葉の後に、ピピが口を挟んだ。
「要するにその司令官のオッサン、自分の地位に相当な執着があったのかもね。アンタ達を亡き者にして自分だけが地球の英雄になりたかったんだ。分る分る。アタイだって自分の座を狙う奴がいたら、蹴落としたくなるもんね」

「お前は根っからのスケ番女王様だからな･･･(汗)。で、アンタ達。結局のところ、どうやって危機を脱したの？」
ケムゾウの問いに、ジャックは言葉を続けた。
「エースが救援に来てくれたから、５人で力を合わせて脱出したよ。元々、エースが脱出の切り札だったのさ」
「えへへ･･･で、その後の高倉司令官だけど、事件の後でこの暴挙が世間や国連に知れちゃって、最高司令官の座から下ろされたみたいだよ」
高倉の行く末を説明するエースの言葉の後に、空が口を挟んだ。
「そういえば、沖田から聞かされた事がある。昔、正義の味方の皆さん方に不届きなマネをしようとして左遷された防衛隊の司令官がいたって･･･」
「え？何･･･？」
「いや、オレは警視総監と知り合いでね。よく昔あった事件の事とか話してもらうんだ」

不思議そうな顔をするピピに、空は慌てて説明した。ジャックの話を聞いたケムゾウは、納得したように呟いた。
「で、今回この宇宙船を破壊しようとしているのが、その司令官の甥に当たる奴か･･･。これで詳細はよく分ったけど、このままじゃオレ達まで宇宙船もろともアウトだぜ！」
「そうだな、ここには無関係なお前達もいるし･･････よし、地球の連中にテレパシーで連絡しておこう。オレ達が脱出するまで、無茶なマネはしないようにな」

(ウルトラ兄弟と高倉司令官について詳しく知りたい方は、こちらをクリックして下さい)
http://next884mat.at.webry.info/200607/article_45.html
http://next884mat.at.webry.info/200608/article_13.html