「キエーーーーッ！！」
「カーーーーッ！！」
「兄貴。今がチャンスだな」
「おうよ。こちとら、いつまでもオッサン達の変態ショーを見る気はねえからな。これから奴の杖を奪って、一気に終わりにしてやるぜ！」
２人の悪趣味バトルが延々と続く中、ケムマキ兄弟はアークマンの隙を見て杖を奪おうと迫っていた。
「えーい！これではラチが明かんこのまま一気に、うぬを眠らせてくれるわ！！
眠れーっ！！」
「何のその！！そっちこそ、眠れーっ！！」
『今だ･･･！！』
ケムゾウはアークマンの背後から杖を奪おうと、手を伸ばしたが――
「ナーニをする気だ〜？」
ケムマキ兄弟が驚いて振り向くと、彼らの後ろにはマンモスコングが立っていた。
「ウガーーーーッッ！！」
「「どひゃーーーーっっ！！」」
飛び掛ってきたマンモスコングから兄弟が慌てて飛び退くと、マンモスコングはアークマンにぶち当たり、そのまま倒れこんでしまった。
ドッシャーーーーン！！
「ぎゃーーーーっっ！！」
マンモスコングの下敷きになったアークマン、そのまま床に延びてしまった。アークマンの意識が無くなると同時に催眠術が解け、周りの世界もアークマンとドラキュラの扮装も元通りになった。その隙に、ケムゾウは素早く杖を奪った。
「あら･･･？
私、どうしてたのかしら･･･？」
操られていたマンモスコング･･･いや、鬼江の意識も元に戻ったようである。
「何だ。オッサン、操られてたのか･･･。あの痩せたオッサンに礼を言いなよ。あの人の飛び入りのお陰で、アンタ悪者の術から解放されたんだぜ」
「まあ、そうだったの？どうもありがとうねー♪ウッフ〜〜ン♪♪♪」
「ゾゾ〜〜〜〜ッッ！！」
鬼江の送る流し目に、思わず寒気を覚えるドラキュラであった。その時、童馬と心太も宇宙船内に駆け付けてきた
(心太はアークマンの心を読んで宇宙船の扉の開け方を知っていた)。
「ケムゾウ、大丈夫か･･･って、
だーはっはっはっは！！お前ら、その格好･･･！！」
「うる星なあ･･･！このまま、このヒヒジイさんが気絶してなきゃ、
お前ら明日は我が身だぞ･･･(汗)」
「でも、ジイさんが延びて術が消えたのに、
オレ達の格好そのまんまだぜ？」
「あら、イヤだわ！私、何て恥かしい格好してるの！？これじゃあ、無双ちゃんに会わせる顔が無いわ！！」
「きっと、魔法で出したり消したりした物は、アークマンの意思でないと元に戻らないんだろうね」
「参ったなあ･･･」
ケムゾウが困っていると、鬼江が何やら外の異変に気付いた。
「あら、妙な鳥がたくさんこっちに飛んで来るわ･･･」
「･･･おい、
あれは鳥じゃ無い！戦闘機だ！！」
それはノリモノレンジャーを誘い出す為、日本中へ飛んでいたワルカラス部隊！アウン軍曹の命により、ケムゾウ達を攻撃しに来たのである。
「役に立たない妖術使いめ！ケムマキ達もろとも、宇宙船を吹き飛ばしてくれるわ！」
同士をあっさりと裏切るという悪の王道を、まっすぐに突き進むアウン軍曹。果たして、ケムゾウ達の運命は――！？
